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玉田 正男
放射線化学(インターネット), (100), P. 16, 2015/10
放射線を駆使した研究開発とそのマネジメントに携わって、35年、捕集材による温泉水中のレアメタルの捕集は特にマスコミの注目を受け、数多くの新聞やNHKの「おはよう日本」などのテレビ報道で大きな反響を呼んだ。捕集実験は群馬県にある自然湧出量が日本一である草津温泉で行った。朝8時からの生放送では、6時から現地にスタンバイしたこともあった。また、モノマーを界面活性剤により水に安定に分散して行うエマルショングラフト重合の発案は、捕集材を作製するコストをいかに抑えるかという問題の解決に繋がり、半導体洗浄液中のppbレベルの金属除去フィルターやセシウム吸着材の技術移転の道を切り開くことができた。
佐伯 誠一; 柴田 卓弥; 保科 宏行; 植木 悠二; 笠井 昇; 瀬古 典明
no journal, ,
福島第一原子力発電所事故由来の放射性物質により空間線量率の高い地域においては、除染作業により発生する大量の廃棄物が、除染作業場近くの仮置場に保管されている。一部の仮置場のピット排水においては、排水基準を超える放射性セシウムが検出され、ピット排水の放射性セシウム濃度を排出基準以下にまで処理する技術を確立する必要がある。本研究では、ピット排水を排出基準以下の放射性セシウム濃度にまで除染するため、放射線グラフト重合法により作製したリンモリブデン酸型放射性セシウム吸着材を用いて、バッチ式及びカラム式除染試験を試みた。バッチ式除染試験においては、放射性セシウム吸着材とピット排水を固液比1:150として12時間振盪した結果、75%の放射性セシウムを除去することに成功した。また、バッチ式除染試験を3回繰り返すことにより、放射性セシウム除去率は95%にまで達した。さらに、カラム式除染試験として、7mm径カラムに0.2mLの吸着材を充填し、40mL/hの流速でピット排水を流通させた結果、吸着材体積の300倍のピット排水を検出下限以下にまで除染することに成功した。